第46章

大島莉理が田中友里子から電話を受けたのは、ちょうどユンチー・ベイに戻ったばかりのときだった。

「今すぐ公館に戻りなさい。田中尚哉が具合悪いのよ」

それだけ言って、一方的に切られる。

田中尚哉が病気? それが自分に何の関係がある。

莉理は面倒くさそうにスマホをテーブルへ置いた。すると次の瞬間、田中友里子からメッセージが届く。

【爺さんに、あなたが田中尚哉と揉めてるって知られたくないなら、さっさと来なさい】

爺さんが望むのは「家が円満である」という体裁だけだ。息子や孫が浮気しようがどうでもいい。家庭が幸せに見えて、于グループの顔が立つなら口を出さない。

――正確には、離婚など認めな...

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